ながれてゆくもの

いちオタクの徒然雑記

深く考えずに楽しんだもん勝ち

 

ミュージカル刀剣乱舞
歌合乱舞狂乱2019


文字通り狂乱の日々であったなあ、と千秋楽が終わってネタバレ解禁となったTwitterのタイムラインを見ていて思った。

愛知公演と大阪公演に参加してきたので、観て感じたことを中心に感想を書こうと思……ったんだけど、思うことがありすぎてびっしり長文になりそうだ。
とりあえずそれぞれの小噺(?)について書いたあとで、全体の話ができればと。なんかもう凄い考察してる人とか見かけたけど、わたしが書くのはただひたすら個人の感想です。

 

 

碁石の音の話
そろばんの音、鉛玉の爆ぜる音、線香花火、人びとが玉砂利を踏みしめる音。碁石のぶつかる音でそこまで広がるんだなあ。
なんでもない本丸の日常を描いていてほっこりしたけど、御手杵だけ音について答えが出てないのとか、篭手切くん以外の男士が何のために祈っているのか明かされないあたりが、なんとも言えない余白を感じさせる。


*こんぺいとう
…………くどい。笑
出だしこそ笑って見てたけど、周りの反応に比べてそんなに面白いと思えなかったというか、やっぱり「くどい」の一言に尽きるかなあなんて。
なんの時間なんだろうなってちょっと思ってしまった。あまり性にあわない笑いでした。


*青江の講談
よき…………………ひとだまの演出もそうだし、青江に語らせるのも……真冬の百物語(=乱舞祭2017)を思い出しますね。
青江というキャラクターのこともそうだけど、ひとえに役者さんの力量を信用しての演出だというのが分かるので荒木さんのおたくは嬉しいだろうなあと思ってました。
軽薄な人と契りを結ぶのはよくない、という戒めの話から語られる物語自体はわたしにとっては軽薄さは感じられなくて首を傾げていたから解説が欲しい……これがその後の明石の話につながるという解釈を見かけてなるほどな?とは思ったけど……うーんその件は後述。


*ばいざうぇい
タイトルがとんでもなく駄洒落だった。
明石が「作り話」として語って聞かせるのは責任転嫁の連鎖の話。梅の木を巡る、今剣と小狐丸を巻き込んだ非常に後味の悪いお話で、あくまでも明石自身が考えた作り話だという締め方ではあるのだけれども、明石がなんかすごい嫌な奴としか思えなくて本気でなんなのこのシナリオ??って初見の時に思ったし今もそう思ってる。
梅の木が歴史の暗喩とか解釈してる人いたけどそういうの含めても明石があんなに悪い印象で終わる話なのが謎。みずから憎まれ役を演じに行ってるって説明が今後あったとしてもわたしは素直に受け入れられる自信が無いです。
葵咲本紀のときも引っかき回す役回りになってたし、刀ミュにおける明石国行って徹底的にダークヒーロー的な感じなのかもしれないんだけどだったらヒーロー部分を同じ作品内でちゃんと見せて欲しい。歌合だけ見たらただのすげー嫌な奴なのが個人的にすんごい引っかかってて納得いかない。

前述の青江の「軽薄な人と〜」というワードはこの明石の話にかかってくるのでは、という考察を見かけてなるほどな?と首を傾げつつでもちょっと納得したかも、みたいな。青江ってやはり一歩引いて周りを見ている様子ではあるので、そんな中明石はやはり警戒対象なのかなと……

……やっぱりピンと来ない。明石推しのひとはこれでいいのか?描かれ方についてすら「よその本丸だから」と口を噤むのかな。


*鯛のはなし
…………貞愛かわいいねえ。笑
なんか人物キャスの見せ場が全然ないからああいう突っ込み方したんだろうなっていうのは感じた……あと秀忠(というか役者さんの方だけど)が「ただいま」って自分から言うからちょっと苦笑いではあったかな。その通りなんだけど出てきていきなりそれかい、という感じもある。
このシナリオは誰が書いたんですかねそういえば。公式には出なかったな。


*風呂上がりの長髪男士
軽装!!!!
大阪で蜂須賀の軽装までもが実装されててびっくり。そういうとこ仕事早いよね刀ミュくん。
ただの女子会かと思いきや、今回は出演してない最推しの名前がぽんと飛び出る心臓に悪いシーンです。でもこのお話のお陰で、やはりミュ本丸の村正はとても愛されているんだという確信が持てました。以前からちょいちょい言ってたけど。
村正と青江の関係性についても呻いてしまうくらい刺さるものがあるけれど、個人的には兼さんが「願掛けなんて柄じゃねえけど」と歌いながらも本丸の仲間(=村正)の無事を祈ってくれるというのがあんまりにもエモくて好きです。村正と兼さんってパッと見接点がなさそうだから、余計にね。

そんな感じでエモいな〜いいな〜って感動してたら突然のギタリスト堀川国広なのでなんというか感動した時間を返して欲しいと思うくらい謎で面白い。満足気というかドヤ顔で堀川くんを見ている兼さんという構図もめちゃくちゃ謎。大阪では蜂須賀まで加わって堀川くんを見つめてたね。

書いたの三浦さんだろ!と思ってたらこれだけ予想当たってたのでにんまりでした。三浦さんの脚本、エモさと笑いが絶妙なのでだーいすき。


*二振りの小狐丸
歌合でいちばんしんどくていちばん好きなお話です。
阿津賀志山巴里のときに出られなくなった北園くんの代わりに小狐丸の代役をしてたアンサンブルの岩崎さん。(北園くんの小狐丸ももちろん好きなんだけれども)彼の小狐丸がめちゃくちゃ好きで、でもあくまでも代役だからあれっきりなのかと思っていたら今回の歌合でのエピソードで登場して、正直いちばん興奮したしネタバレ踏まずに観れて良かったと思いました。
つはものでの小狐丸ソロ「Versus」の歌詞にもなぞらえつつ、本丸にもう一振りの小狐丸が現れたという怪奇譚によって岩崎さんの小狐丸の存在を上手く吸収してくれたと言うか、観ているこちら側の気持ちの整理をつけさせるきっかけを上手にくれたという感想です。
「表と裏は一体でどちらも私」と語る小狐丸にほんとに泣かされそうになった。岩崎さんの演じた小狐丸も無かったことにはならず、どちらもミュ本丸の小狐丸である、という着地は本当にありがたい。
オフショットがTwitterに上がる度に呻いてます。しんどい。

 


◇全体を通じて
鍛刀ってあんな大袈裟な儀式なんだ…………って感想が出ました。原作ゲーム内だとサクッとこなしてるけど確かに刀を鍛えてから人のかたちを呼び起こすのだからなあ、と納得しつつ、驚かされつつ。小話全てが鍛刀の手順ではないかという考察を見かけましたがその通りかもなと思います。

顕現シーンベタ褒めしてる人が多数だけど、わたしはあのシーンで呼び起こすのが失敗したら刀剣男士になれずに何になるのだろう、と背筋が寒くなる演出でもあったなと思います。そして、あんなふうにして生まれる人ならざるものを使役している審神者の業の深さを思ってしまった。
……逆に言えば人の想いに呼応するのが刀剣男士なのだということですよねえ。

 

わたしが観たのは愛知以降なので松井江しか観れてないんだけど、なんで桑名と松井の二振りを出したんだろうね。新作には松井くんが出るオチだったし、本当に何でだったんだろう。
(ゲームの里イベ苦手で桑名も松井も未所持なので、周りの過熱ぶりからは少し引いた見方をしています)

 

全体的には、なんというか深く考えずに楽しんだもん勝ち、って印象ですね。勝ち負けじゃないのは分かってるし楽しんだ部分もあるので全然いいんですけど、考察厨であることが楽しみきれなかった敗因なんだろうな〜って感じです。主に明石のことだけど、蜻蛉さんとか長曽祢さんとか、なんかネタ枠扱いされてる感じが否めないなと思います。
頭空っぽにして与えられるものを喜んで楽しめる人向け。考えすぎると自滅するやつ。

楽しかったけど思い返すとなんかどこかモヤッとしてるんだよなあ。楽しかったけど。

 

どっかで遠征のはなしも書きたいと思います。友人達のお陰でとても楽しい遠征でした。

 


おしまい。

 

 

 


***

 


ちょっと話題になってたブログを見ちゃったので、それを見てないとわからないだろう話を少しだけ。

 

歌合のあのサプライズが誰のためのものなのかという点においては「刀剣乱舞」というコンテンツをずっと愛してきたおたくのものだと思います。
身も蓋もないことを言えば、刀ミュはもう役者のネームバリューを必要としないコンテンツとして良くも悪くも拡大していると思うので、役者のおたくをある程度蔑ろにするのは仕方が無い部分があるとわたしは思う。
……というか、カテコでもしっかりキャラクターを演じさせている(=役者さんとしての挨拶が無い)時点で、役者個人を売りにするつもりが無いことは明白かなと。
なので、全てを追いかけて応援したいという役者のおたくの気持ちも分からなくはないんですけれど、あれに関しては原作のおたくの方を向いた結果だと思います。どんまいとしか言いようがない。

 

まあ、わたしは舞台作品におけるサプライズ演出自体は好きじゃない方なんですが。一度しか観れないものだったりするから、いくら舞台が生物といえど意図的に事前告知無しで演出を変えるのは「ずるい」と感じてしまうので。
だからブログ主の気持ちもわかるんだけど、ちゃんと読んだら当事者(=サプライズの材料にされた役者さんのおたく)じゃなかったのでなんでやねんって思って笑ってしまった。ごめん。

しかしながら、そういう感情をワガママだとばっさり切り捨てられる人はある意味幸せだと皮肉りたくなります。でも、原作のおたく、役者のおたくのどちらの気持ちも否定する権利はお互いにないと思います。なので答えが出ないんだな、この話題。

 

歌合にだけ絞るのなら、あのサプライズは原作ファンのためだと言えるかなと思います。

 

※全て個人の意見です

 

今度こそおしまい。