ながれてゆくもの

いちオタクの徒然雑記

4DX的な朗読劇(多分ちょっと違う)

 

4日土曜日に友人にお誘い頂いてこちらに行ってまいりました。

シアトリカル・ライブ「The Black Prince」

theblackprince.theatrical-live.com

お久しぶり〜な舞浜アンフィにて。簡単に言いますと、声優さんが出演されるオリジナルシナリオの朗読劇なんですが、生オケ、煙や雪などの特殊演出などなど、世界観の演出といいますか、観客を物語の中へとことん引き込んでやろう的な、なかなか新感覚な舞台。

こちら、以前上演された「MARS RED」という作品に関連しているというか、物語が繋がるらしく、前作に触れてなかったわたしはちょっと躊躇してたんですけど、とても熱心なお誘いにより今回観ることになりました。

 

 

というわけで感想でもつらつらと。

多かれ少なかれネタバレ含みますので一応ご注意ください。

 

 

 

あらすじはこんな感じ。(上記公式サイトより引用)

今からおよそ600年前のイングランド王国
100年間もの長きにわたる戦乱の世にあった。

世に言う百年戦争である。

終わらない戦いの日々
戦火の煙は黒いベールとなって空を覆い尽くし
黒死病が蔓延し
人が死に
ヴァンパイア達さえも飢えた時代
漆黒の甲冑をまとった黒の騎士が戦場を駆けた。

エドワードである

時代は・・・
黒に魅入られていた・・・

物語自体は中世ヨーロッパを舞台にしたダークファンタジー、って感じ。

 

個人的には群像劇っぽいな、という感想。それぞれに皆物語を抱えていて、少しずつそれが明かされていくのとリンクして変化が生まれる感じ。あくまでも軸はエドワード黒太子だけれども。

イングランド側はエドワードの弟のジョン、そしてジョンの学友だったヘンリーの三人の関係性がただひたすらにもどかしいというか、なんというか。一方通行感がすごい。エドワードも、エドワードのことを嫌っていたヘンリーもそれぞれ母国のことを考えて色々と暴走するわけなんだけど、間に立つジョンのなんとも言えない板挟み感よ……おそらくいちばん客観視できる性質を持っているのに、兄への憧れが強すぎて彼もまた些か盲目なのが余計にもどかしさを感じます。

 

フランス側は将軍ゲクランと仕える女傭兵ホークウッドがそもそももう登場から本当に格好よい(演じているのが山路さんと璐美さんだから当然といえば当然なんだけど)。

ゲクランはことあるごとに「(傭兵は)金で雇われた身なのだから、逃げたって良い」とホークウッドの身を案じるし、ホークウッドはホークウッドでゲクランのことをすごくすごく慕って……というか愛していて、彼の傍で仕えることを選んでいる。お互いの信頼関係の強い主従関係というのがすごく好きなので、この二人の関係は本当に良い。

物語終盤でホークウッドが朝日に焼けていくことによりヴァンパイアであったことが発覚したときの展開には涙が止まらなくて。「生まれ変わったら見つけ出してください」的な台詞(かなりうろ覚え)が切なすぎてたまりませんでした。次の世で幸せになってくれ……

 

ヴァンパイアの女性クロティルドは過去に人間の子供をヴァンパイアにしてしまった禁忌を犯し、その後悔から血を吸うことができなくなっている人。そしてクロティルドにヴァンパイアにされたのがデフロットという少年で、彼女を姉と呼び一緒に暮らしている。このデフロットが「MARS RED」に登場するそう。

彼女らはブローニュの森と呼ばれる場所に暮らしていて、クロティルドは魔女なんて人間から呼ばれているんですが、この森とデフロットを守るため、エドワードの影武者になることを受け入れる。ヴァンパイアは戦闘能力にも長け、基本的に不死身で傷の治りも早いため、エドワードの黒い甲冑を纏って戦うクロティルドの背中に矢が刺さったまま、なんて描写もあってちょっとクスッとくる反面、戦っている人間からしたらめちゃくちゃ怖いだろうなあ、なんて思ったりもしました。

デフロットがヴァンパイアになる経緯として、彼の暮らしていた村が黒死病で全滅し、ひとり生き残ったところにクロティルドが現れて……と言う感じで、公式サイトの紹介や彼自身の台詞の中で「人間だった頃のほうが孤独で惨め」だとか「ヴァンパイアとして生きている方がまし」というようなニュアンスが出てくるんですけど、実はデフロットはゲクラン将軍の兄だったというのが最後の最後に判明するんですが……ゲクラン将軍は黒死病から奇跡的に生還したものの、顔が醜くただれてしまったという設定なんですがデフロットの記憶では弟は黒死病で死んでいるんですよね。そこどういう経緯で復活したんだろうなっていうのが地味に気になっていて……お互いがお互い、黒死病で死んでしまったと思い込んでたっていうのが……まあ幼少期の話、で片付けられはするんだけど……って感じでちょっともやっとします。

あとは「MARS RED」にクロティルドが出てこないようなんですが、デフロットと別れることになったのは何が起きたのかなっていうのがめちゃめちゃ気になる。その辺に関してはプレイボタン借りたのでとりあえず「MARS RED」聴いてからかな……今作とキャストが重複していてそれがどうやら縁故を匂わせるような感じらしいので、感想まとめられそうだったらこれはまたいつか書きます。

 

ストーリーとキャラクターはこのくらいにして、言いたいのが特殊効果!

生オケももちろん醍醐味なんですが、煙や炎、人工雪、火薬とあれこれ用意されていて、世界観への没入感が凄い。砲弾が飛んでくる演出で火薬が爆ぜるの、結構ビビります。笑

アンフィシアターってもともとがシルク・ドゥ・ソレイユの常設劇場だったのでステージの作りや客席配置がちょっとユニークなんですけど、舞台装置をかなり活用していて演出方法にいちいち感心しちゃいました。ステージ中央のせり上がりが円形で回転もするんですけど、その回転するのを利用してスモークを焚いたり、炎を上げる装置を動かすのが見えて、なるほどなあ……って感じでした。椅子の動かない4DXって感じかなって思いました。4DXで映画観たことないですけど。

あと、朗読なので各キャストの皆さんは出番じゃないときはスポットライトが消えて座るんですけど、璐美さんの脚を組んで座ってらっしゃる姿が衣装(甲冑風の出で立ち)も相まってめっちゃくちゃ格好良かったです。ホークウッド大好きだ……

 

学生時代世界史専攻だったのもあって結構馴染みやすい世界観で、前作を観ていなくてもとても楽しめる作品でした。誘ってくれた友人に感謝。