ながれてゆくもの

いちオタクの徒然雑記

銀幕の夢を見る

 

 

ミュージカル「サンセット大通り


何とか……観られた……
正直当日中止のお知らせの可能性も覚悟していたけれど、決行してくれて観ることができました。キャストは松下&安蘭ペア。
(別日に平方&濱田ペアを観る予定が……中止に……)

 

あ、先にウィルス対策がどうだったか覚え書き程度に。

・チケットもぎりの前にサーモグラフィーの体温測定。
混んでたらスタッフさんがおでこに近づけて非接触で測るタイプの体温計で測定するパターンも。
(余談:入場時ちょっと人が溜まってたんだけど、おでこを出した髪型をしているせいか私だけ呼ばれて非接触のやつで測られるなどした。非接触タイプだと前髪ある人は測りづらいので、わたしの顔みてスタッフさんがあ!って顔したの当分忘れらんない……)
・看護師さんが待機してて体温測定の様子を見守る。
・スタッフさん全員手袋とマスク。
・チケットもぎって貰って入場するとスプレー持ったスタッフさんがいて強制的に手の消毒。
・……という措置のために、開場時間が30分早められていた。
・場内アナウンスでは、客席内での会話はできるだけ避けるようにとの要請。

 

もちろん観る方はマスクばっちり。

 


さて!作品の話。


舞台は1950年代のハリウッド。売れない映画脚本家のジョーは、借金取りに追われるうちにかつて無声映画で人気を博した大女優、ノーマの大邸宅に迷い込む。
ノーマは未だに自分が大人気のスターであると信じて疑わず、ジョーに自分を主演にした無声映画の脚本を書くよう迫る。ジョーは提示されたギャラの額ゆえにそれを引き受けるけれど、ノーマに束縛され、振り回されはじめて……という物語。

ものすごく今風の薄っぺらい言葉で説明をすると「お金に困っていた男が金持ちのメンヘラにとっ捕まって、嫌々ながら相手をしているうちに共依存になる話」が手っ取り早い気がする……いや実際もっと重いというか人の感情や当時の映画界の光と闇みたいなものがあるんですけど……でもなんかほんと……端的に言うならこうだと思う……


変なこと言ってないで真面目に感想書きます。
劇団四季の作品で育った部分があるので、アンドリュー・ロイド・ウェバーといえば「オペラ座の怪人」「キャッツ」なわたし。「サンセット大通り」は初見でした。

楽曲とストーリーの展開にオペラ座っぽさを感じたように思います。ノーマとマックスにファントムへ通じる何かが見えたような。楽曲は全体的に好みだったのでサントラ買うか悩む〜!

 

っていうかもう……ノーマの世話をしているマックスのもつノーマへの愛情の深さと歪みがたまらなかった……! この感覚はオペラ座のファントムを観ているときの感情に近い。最後までノーマを女優、銀幕スターとして扱ったのはマックスただひとりで、内に秘めた狂気はノーマを超えていたように思う。あれは愛と呼んでいいのか、執着なのか憧憬なのか。全部なんだろうな。
序盤は「ぼくのエリ」的展開なのかなあと思ったりもしたけど、それっぽい要素を含んでいるような気はしつつも割とちがいましたね……

 

ジョーはかっこつけたい気持ちや打算的な部分がありながらも優しさや甘さが手放せないようなキャラクターに見えました。自分の試した手段の手応えが悪いとすぐ踏み出しかけた足を引っ込めるような、もうひと押しが足りないような人物像。
お蔵入りになっていたジョーの書いた脚本をきっかけに知り合い、いい感じの仲になる(ジョーの友人・アーティの婚約者でもある)ベティとのやりとりでは割と普通の男というかなんというか……あ、押しに弱い部分があるのかな? ノーマもベティも、ベクトルは違えど押しが強い女性であることには変わりないし。

 

あとほんとこれ書いときたい。アーティめちゃくちゃかわいそう。
この物語における一番かわいそうな人ってアーティだと思う。出張中に彼女が他の男、ましてや古い付き合いの友人であるジョーに惹かれてるなんて……ねえ。笑
結局アーティとベティがどうなったのかは描かれていないけれど、まだ若くて、仕事に情熱を持っているベティがジョーやノーマとのやり取りを経てまで素直に結婚するとは思えない。笑
パンフに載っていたインタビューでベティを演じてる平野綾ちゃんが「見たことを脚本にしていると思う」って言ってたけどわたしもそんな気がするな〜。アーティとはお別れして、脚本を書き上げた頃に別の誰かと出会って結ばれる結末が待っていそう。

 

ノーマは最後の瞬間まで夢見る少女のままだったのかな、と。おそらくこれまでの生活で現実が見え隠れしていたはずでしょうけど、それを認めたくない自分の感情にプラスして、マックスの度を超した献身と愛が彼女の視界を狭めていたのではないかなと思います。
物語後半、クライマックスでジョーが彼女にいう台詞、「50歳であることは悲劇じゃない、25のふりをしなければ」があんまりにも刺さる。この台詞から、厳しい現実を受け入れることの大切さが浮き彫りになってますよね。それはあの台詞を口にするジョーにも当てはまるんだよなあ……ベティの言葉を受け入れる、受け止めていられたらノーマとあんなにズブズブにはならなかっただろうから……笑

 

とてもおもしろい作品でした。
ここ最近2.5次元作品ばかりで若手の体当たり演技!って感じのものを多く見ていたので、なんというか、普段見ているものが悪いわけじゃないけれど、さらに上の世界を久しぶりに見ることができたような気持ちになりました。
んーでもやっぱりWキャストは両方観たかったなあ……めぐさん。。

 

おしまい!

 

ちなみに、これ以降の観劇予定はだんだんなくなりつつあります。。仕方ないけど悲しい……生きがいがない……